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表現された誰かの内側は、 別の誰かの内側に響く

自分の内側にあるものを、表に現したのが「表現」

 

表現された、誰かの内側は

別の誰かの内側に、響くのです。

 

こんにちは、アートあそびラボの苅部洋子(かるべようこ)です。

 

以前、SNSでアップした、高齢の方の作品を見て

「感動しました」と連絡をくれた方がいました。

その人と作者は直接会わないし、言葉のやり取りがあるわけではないけれど

その人と作者の間に、目に見えないやり取りが生まれたと言えます。

 

波紋が伝わるような、エネルギーが響く、ような。

 

誰かの内側が表現されたものを見て、他の誰かが何かを感じたとしたら

そこに距離を超えた、関係性が生まれている。

自分の内側を表現する事で、外側の世界と関わっているのです。

 

アートの作品だけではなく、自分を表現して生きている人の何か、は

人の心に響きます。

 

以前書いたブログ 

自分を生きることは、自分を表現していくこと - アートあそびラボ (art-asobi-labo.com)

で「自分という人間を表現する手段として、こう生きるしかできなかった」

とおっしゃっていた吉垣花園さん。そちらの、オーガニックで育てられたお花を買った方が

「このお花は花瓶の中で腐らない。枯れてく様も楽しめる。私自身も枯れていくのを(年を取っていくのを)楽しみたい」

とおっしゃっていました。

 

表現された、誰かの内側は

別の誰かの内側に、響くのです。

 

今日ご紹介するのは

もうすぐ高校生になるKちゃんと、高校生のSちゃん2人の作品です。

個性の一つとしてダウン症をお持ちです。

 

この日のKちゃんは、独特な樹の形を何枚も何枚も描いて、白い絵の具を降らせます。

樹の形が、自分の内側からどんどん溢れてくるようでした。

そして最後は「これでいい」

ときっぱりと筆を置く。何がそれを決めさせているんだろう。

Sちゃんは、体の動きで描いている。
ゆらゆら心地よさそうに揺れている。手に持つ筆がその軌跡を描く。

白い絵の具を提案しても「ヤダヤダ」
でも、ちらちら見て、しっかり認識している。

いつも、私の提案ではなくて、自分の内側の何かで決めていると感じます。

そして、「もう帰るよ」と言うときに

白い絵の具をバンバンバン!と画面に叩きつけた。

その一瞬で生まれたのがこの作品。

言葉で表現する事が苦手なSちゃんの、内側が表に現れたように感じました。

2人の作品も、どこかの誰かに、きっと響くのではないかと思います。

そうやって、世界が響き合っていくのもいいですよね。