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「それやらないで、好きな事描いていいよね?」

自分が何が好きで、何に興味があって、何にワクワクするのか。

自分は何がやりたいのか、自分の願いは何か。

やりたいことに没頭し遊ぶ時間は、それを確認する時間。

自分とはナニモノなのかを、思い出していく時間。

アートあそびは、そんな時間です。

 

こんにちは。アートあそびラボの苅部洋子です。

 

横浜市内の保育園のアートあそびの時間。

大きな紙に寝転んで、自分の形をなぞり、そこに描いたり貼ったりする提案をしました。

その説明を聞きながら

 

「それやらないで、好きに描いていいよね?」

 

と誰かが言いました。

私「え・・・うん、いいよ」と言うと、

「やらないで、いいんだって♡」という声が、ざわざわと広がり、

結果、ほとんどの子は実物大の自分を描かずに、それぞれのやりたいことを始めました!

 

描きたい線を描く、廃棄用の絵本から、気に入った写真やイラストを切り抜く、絵の具を混ぜる、手に塗る、絵の具を垂らす、飛ばす、などなど。

描きたいように描き、貼りたいように貼っていきます。

もう、本ごと貼っちゃうもんね~!

「ページをめくって見たい人も、いるかもしれないから」だそうです。

 

きっと落ちる、とか、重さに耐えられない、とか

ダメな理由を先に考えないって

新しい事を生み出すのだなあ✨

保育士の先生と、振り返りの対話をしながら、見えてきたことがあります。

 

彼らを見ていると、自分のやりたいことがしっかりとある「自由」を感じる。

「やりたくない」は、「やりたい事がある」という事でもある。

 

そして、彼らは、

この時間は、大人の「やらせたい」が第一優先ではなく、

子ども達が「自分で決める」という事のほうが優先される、と知っている。

やらなきゃいけない時は、ちゃんとやってくれる。

 

「やりたくない」の意思表示が、あまりにも潔く、私たちは戸惑いました。

「え・・・だれもやらないの?💦」ってね。

しかし、自由な創作を始めた一人ひとりの表情は、真剣で、楽しそうで、とっても満足げ。

 

子ども達の「やりたい!」に柔軟について行けるように、

大人達もマインドを鍛える必要がありそうです(^_^;)

 

大人の顔色を見て、大人が褒めてくれることをする、大人が喜ぶことをする。

そういう人はいつも不安だろうと思います。

 

自分がどうしたいか、がちゃんとわかる、自分で自分を認められる、自分の喜びを知っている。

そういう人は、他者と自分が同じかどうか確認したり、比べたりする必要がないから、

他者を素直に賞賛し、自分の事も認められるのだろうと思います。

 

それは、自分の人生を、自分で作っていくために大切な力。

自分の願いを、実現していくバネのような力。

だと思うのです。

 

彼らには、その力強い根っこが育っているのを感じます。

子ども達は創作に集中し、自分の身長くらいある大きな紙全体に、自分がイイと感じるもの、ワクワクする事を、のびのびと自由に表現しました。

 

それが彼らの「今、等身大の自分」の表現なのかもしれません✨