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おもちゃより道具が楽しい

本物の道具は、その形や材質に意味があり、無駄がありません。
なんでだろう?どうなるかな?と考え試行錯誤するのも楽しい✨使い方を会得し使いこなすのも楽しい✨自然の摂理とも出会っていく✨工夫次第で新しい使い方も創造できちゃう✨優れものです!

 

こんにちは、アートあそびラボの苅部(かるべ)です。

 

ある日の保育園での5歳のアートあそびの時間。
この日は木片を用意して、釘打ちやボンドを使っての造形でした。

ある子が釘の刺さった木片を持ってきて、「釘を外して」と言ってきました。
私は金槌についているくぎ抜きで釘を抜いてあげました。するとその子が言ったのです。

 

「あ~、だからそういう形をしてたんだ!」

 

その子は「何でこんな形してるんだ?」と思っていたのです。

「問い」を持っていたから、使い方を見て納得した。形と使い方が繋がった瞬間でした。

私は保育園のアートあそびの時、”道具”を持ち込むことがよくあります。

たとえ100円ショップのものでも、”おもちゃ”ではなく、大人が使う本物の”道具”です。

子ども達は最初は上手く使えません。斬新ともいえるマト外れな使い方もします

何でだ?どうやるんだ?と考えて、試行錯誤していくうちに、有効に使っていくようになります。

そして道具を使いこなせると、楽しさが倍増します。

 

例えばすり鉢。

最初はただ入れる、混ぜる”容器”として子ども達は使います。

そのうちに達人が現れます。素材をすりつぶすにはコレだ!とばかりに使いこなす楽しさを知り

「これを押し付けるように、こするんだよ」と得意気に教えてくれます。

 

なぜ内側がギザギザしてるのか?それとセットの棒はなぜ太いのか?なぜ木なのか?等々を考えると、おのずと使い方も見えてくるはずです。大人のちょっとした一言や、使っている様子を見る事もヒントになります。

子ども達は正解の使い方を知らないから、新しい価値を生み出すこともあります。
例えばじょうご。
いろいろ重ねてみるとか、勢いよく水を注ぐとボコボコと渦巻いて入っていくのが面白いとか、下に出てくるのが面白いとか。

既成概念がないって素晴らしいですね。正解は無いし、新しい楽しみ方をみつけていきます。

水遊びで大人気なのが、給油ポンプです。(お家で灯油に使っている場合は、お家のは使わないでね。と一言注意が必要ですね)
最初に「シュコシュコするとここから水が出てくる」くらいに簡単に使い方を見せます。
子ども達はいろいろと試し、使い方を会得し、遊び方をみつけていきます。

満タンになると、ボコ!とあふれるのが面白い。足で押さえればいいと工夫する。移動式ポンプにもなる。
すばらしい発想力です!

いろいろな道具、一昔前は生活の中に転がっていて、家族が普通に使っていました。
今は便利になり、ボタン1つでなんでもできちゃう時代だからこそ、”道具”を遊びに取り入れて欲しいな。と思います。

 

”道具”はその形や材質に意味があり、無駄がない。そして、たいていが自然の摂理、物理につながっています。

力加減や角度など、先人たちの知恵が詰まっています。

子ども達は「どうしてだろう?」「こうやってみたらどうかな?」と考え試行錯誤しながらいろいろな事を体験し、体で会得していきます。言葉では教えられないことです。

 

おもちゃは遊び方が決まっている場合が多いのだけど、

道具は思考力がつき、創造性や発想力がフル活動!何より自分で会得したことで遊ぶのは楽しい!と思います。

 

水鉄砲より霧吹き。お大根おろし器でクレヨン削ってみて!子ども達は夢中になります。
ぜひ、本物の道具を子ども達の前に置き、どう使っていくか、なるべく手と口は出さずに、ちょっとだけヒントを見せて、見守ってみてください~✨