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1,2歳クラス:1滴の水と出会う

0~2歳の子ども達は、いろいろな物や事と出会い、「なんだろう?」と触れ、体で感じながら探索し

世界を知っていきます。
これは答えを知らないものを手探りで追い求める”探索”の旅です。

 

こんにちは、アートあそびラボの苅部(かるべ)です。

今回は1、2歳の子ども達が、自由に探索できる場を作りました。

8月のテーマは「1滴の水と出会う」です。

真剣な眼差しで1滴の水と出会い、追いかけ、探索する様子をご紹介します。

 

※この活動は東京都の【とうきょう すくわくプログラム】の一環で行なっています。

1歳クラス:”何だろう?”

1歳クラスでは、1つ1つ盛り上がる水滴、上から下に流れる水の粒、など水の特性と出会う姿が見られました。

 

透明な水が青くなった瞬間から、子ども達は“水”に吸い寄せられ、探索し始めました。

激しく水を動かしていた子も、手を止めてじっと見つめています。手の色が変わることが不思議なのかもしれません。

腕に垂らしてあげると、水滴に気付きます。

板の上に水滴を作り、指で動かしています。

斜めにすると水滴が走り、流れます。立てた板に流す子もいます。

子ども達から 「あめ」 という言葉が漏れました。

体験と結びつけ、言葉で表現し始めた瞬間です。

道具を浮かべたり転がしたりする子もいます。

霧吹きで水滴を作ってあげても、彼らの興味は霧吹きそのものにあるようです。

 

1歳の彼らにとって、そこにあるすべての物が「なんだろう?」の対象です。

そうしながらも霧吹きの霧が粒になり、すーーと流れていく様子を見つめています。

 

たくさん水の粒が、その動きが、彼らの記憶に焼き付いてくれれば、それでいいと思います。

2歳クラス:”なんでだろう?””どうなるかな?”

2歳クラスでは、主体的に行動し、実験する姿が見られました。

 

色素が溶けていくのをのぞき込み、色水をすくってみます。
意志を持って水滴を並べていく子は、没頭しています。

水滴の形を「●●みたい」と、何かに見立てて表現しています。

自ら板を立てて色水を流し、一滴の青い水がス――と走るのを見つめる子もいました。

 

子ども達は、興味ある事を繰り返しながら、自分の行為と起きる事の関係をインプットし、水の特性を学んでいきます。

立てかけた板に、霧吹きで青い水を吹きかける事を見せると、霧吹きに興味が移ります。

噴射口をのぞき込み、向きを変えて中の色水の動きを見つめ、レバーの握り方をいろいろと試し、強弱を付けたり、近づいたり離れたり距離を試す子もいます。

そして、板に吹きかけた滴が垂れていくのを見つめていました。

 

”なんでだろう?””こうしたらどうなるかな?”と、問いを持ち、それを確かめている姿に驚かされます。

2つの容器の中の色水の量を比べ、「いっしょ」とつぶやきながら、ずっと道具の探究をする子もいました。

 

子ども達は真剣な表情で、初めて出会う道具や水の特性を探索していきました。

“これどうなるんだろう?”と、予想がつかない初めての物や事に興味を持ち、自分なりに試し、見つけ、理解していく姿に保育士の先生方も感心していました。

 

起きる事はほとんど自然の摂理につながっています。

出会う物事を探索しながら、世界を知っていくのでしょう。

そのまなざしは”知りたい!”という好奇心に輝き、真剣です。

1、2歳は創る描くにとらわれずに、様々な物や事と出会う場を、丁寧に作っていきたいと思います。