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1歳クラス 塊の水と出会う

アートあそびラボでは、創る描くだけではなく、1,2歳児の「出会う」場も作っています。

未知のものに手を伸ばし、確かめ、世界を知っていく小さい人達の探索活動は
感性を豊かにし、想像性、創造力、探究する力の礎になるはずです。

 

こんにちは、アートあそびラボの苅部(かるべ)です。

前回、1滴の水と出会った 1歳の子どもたちが、「塊の水と出会う」場を作りました。

 

大きな袋に入った色水を置くと指で押し、中に入っているビーズを追いかけ掴もうとします。

赤いセロファンを袋越しに触り「赤くなっちゃった」と手の平を見せてくれます。

赤いものに触れると手が赤くなる、と想定しているようです。

指で押すと下地の白がみえる様子を「われた」と表現し、繰り返しています。

自分の行為と起きる事の関係を確かめ、体験と結び付けて言語化する姿に成長を感じます。

次第に全身で遊び始め、袋の上に乗り、足の上に乗せ、袋の水を動かし、持ち上げようとしながら、夢中になっていきました。

大きな袋に乗るのはちょっと怖いのかな?ある子が保育者に「一緒にやろう」と言いました。手をつないであげると、おそるおそる片方の足を乗せてみます。

慣れない場に戸惑い、一歩が踏み出せない子には、大人が “安心基地” になる大切さを実感しました。
勇気を出して挑戦できれば、世界を広げていけます。

 

水をビニール袋に入れたものを渡すと、手の中でプニョンと動かし、身体に付けて気持ちよさそうです。

目に当てて向こう側をのぞき込む子もいます。
大きな袋の上に落とすと、圧がかかり青い水が「われる」事に気付きます。袋を落としたり、洗面器に入れてゆらゆらと揺らしながら、起きる現象を試していました。

子ども達は流れずにとどまる水と出会い “どうなるんだろう?” と確かめながら、
形が定まらない感覚、袋の中での動き、重さ、温度、圧をかけた時、落とした時の感覚など、水の特性を全身で感じていたのだろうと思います。


この活動は東京都の「とうきょう すくわくプログラム」の一環として行っているので
少人数で行ない、大人が子どもの様子を記録するようにしています。

先生方は子ども達の言動や表情を “観よう” と意識すると、彼らの発見や心の動きが観えてくる事に気付き、
「いつもは気づけないだろう、鼻歌が聴こえてきた。本当に楽しそうだった」「自分でいろいろな事にも気付けるんだ」と、嬉しそうでした。