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ダウン症の2人がキャンバスに表現するエネルギー

ダウン症の中学生がアートで表現する時間、ことしおアートです。

Sちゃんはいつも赤で描きます。

用意する色を少し変えてみようか、とか一瞬よぎるけど

なるべく私の意図がはいらないように、Sちゃんが選べるように

いつものように、一通りの色を置いておく。

そして、今日も赤から始めました。

今日用意したのは布を張ったキャンパスと、ねっとりした絵の具。

絵の具は染み込まず、かすれる。

ちょっと戸惑っている?

 

絵の具の濃度とか、素材を用意する時点で

私の意図がどうしても入ってしまう。

 

もっと水っぽくしたほうがよかった?キャンバスじゃなくて紙のほうがよかった?

と、あれこれ考えながら、Sちゃんをガン見していたらしい(笑)

お母さんから

「ガン見しすぎですよ。私たちが見てないで、

違う話してるほうが筆が進むみたいですよ」と言われてしまった💦

確かにそうです。はい。

 

Sちゃんは、手にした刷毛の柄の形、重さ、感触を味わうように持ち替えます。

その痕跡が画面に残ります。

刷毛で遊ぶ、刷毛を動かす(描く)を繰り返す。

筆跡が少しづつ重なっていく。

今日使った色は赤、紫、黄色、白。

かすれた感じ、刷毛の痕跡、重なり、混ざる色。

今日の作品です。

 

Kちゃんの画面はどんどん変化していきます。

「ピンクある?」「茶色出して」

私は「はいはい」と助手するだけ。

コラージュした写真を塗りつぶし

力強いタッチで仕上げました。

 

対照的なふたりの表現。

どちらもエネルギーを感じます。

眺めているだけで、なんかいいなあ。