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<楽器を作る>自分は何が好きなのか、どうしたいのかを大事にする時間

こんにちは、アートあそびラボの苅部(かるべ)です。

 

保育園で子ども達と遊んだ後に、先生方と「振り返りの対話」をしています。

反省会ではなくて、起きたことや、子ども達の姿から、日常の保育に生かすヒントを見つけていきます。

 

先日は実習に来ていた学生が参加してくれました。

彼女の、その日の感想から始まりました。

 

『自由な作品作りだった。1人1人の個性が尊重されていた。

学校という世界で個性はどんどん削られていく。

自分も勉強優先で、好きな事に時間をさけなかった。

今、就職活動で「あなたの好きな事は何?」「あなたらしさは何?」と問われて、思い出せない。

改めて考えさせられた。

好きな事、自分らしさは大事なのだと』

 

現役の学生のリアルな言葉です。

 

ゴールが決まっている中で、同じことをしなければいけないと、出来る出来ないが生まれる。評価される。比較される。

友人同士の中にも、同調圧力がうまれ、他人と違わないように、と神経をすり減らす。

やりたくない事をやらなければいけない時間が、1日のほとんどを占める。

それは、決して楽しいことではなく

ギスギス、イライラしてくるだろう。

 

その日のアートあそびは、「楽器を作ろう」という提案でした。

しかし、

楽器を作らずに、材料でごっこ遊びをしている女子もいる。

楽器を作っていたけれど、増殖していくうちに、なんだかわからなくなってきた(本人談)物もある(^_^;)

「終わり」は自分で決める。

「やらない」自由も保証されている。

 

創り続ける人もいれば

終わりにして、日常の遊びに戻っていく人もいます。

誰かがピアニカを吹き始めると、合奏が始まった。

遊んでいた子も、急いで自分の楽器を持って集まってくる。

チャカドンドン♪チャカポコパン♪ それはそれは楽しそうに踊り出す✨

 

楽器を作っていない子に、自分の作ったものを気持ちよく貸してくれる。

ギスギス、イライラしている子はいないなあ。みんな満たされている。

 

そのうちに誰かが、こうやって、ああやって、と演奏の指示をし始めた。

途端に空気が変わり、みんな「やめた~」と散っていってしまった💦

 

「やりたい」と「やらされる」では、こんなに気持ちが違うのか(^_^;)

 

これから小学校へ行って、ギャップに戸惑うかもしれない。

だからと言って、「みんなと同じでいる訓練」をするのが子ども達の為なのか。

正解はわからない。

 

『小学校の見通しが持てるように、できることをしたい。

挫折しても、立ち上がれる力強い根っこを培っていきたい。

子ども達の世界を大切にし、彼らの言葉を聞き、「今」を認めていきたい』

 

と語る、その実習生と先生方。

私も自分のやるべきことを再認識した。

 

自分は何が好きで、どうしたいのか、を察知できるアンテナを

ゆがめることなく立て続けてほしい。

そのためにも、好きな事に没頭できる時間を作っていきたい。

「好き」は、「喜び」につながっている。それは人それぞれ違う。それが「その人らしさ」でもある。

 

その日の子ども達は、創造が止まらない!という感じで、真剣に何かを作り続け

誇らしげで、満足した笑顔を見せていました✨

 

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