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アートあそび は、好き勝手にやりたい放題の場か?

横浜市内の保育園での<アートあそび>の時間です。

 

私は、手のひらに絵の具で描いて、紙に刷り取る提案をしました。

子ども達の遊びは、そこから始まっていきます。

子ども達は、すぐに自分の手のひらに集中しはじめます。

濡らした紙に、手のひらを押し付けると、じゅわ~っとにじみ

絵の具が広がるのを見つめます。

絵の具が混ざって、濁っても気にしません。

誰かが足に塗り始めます。

手を洗うと石鹼の泡がカラフルになることに目を輝かせます。

中身の少ない絵の具のチューブから、絵の具を出すにはどうしたらいいか考え、水を入れ始めます。

机に水をこぼすと、モヤモヤと色が混ざり、動いていくのを見つめます。

次に机に広がった色水を、容器に入れるには、どうしたらいいかを考え

いいことを、思いついたようです。

気づくと流しで遊び始めています。

排水口にカップを置くと、水が溜まっていくことに、誰かが気付きます。

シンクに溜まった色水を容器にすくい、他の容器に移し替えます。

水の入った絵の具の容器を、大切に持ち、タライで洗い始めます。

 

子ども達は、次々にアイデアをひらめき、遊びを展開していきます。

そして、それぞれのタイミングで「あ~楽しかった」と満足し、

日常の遊びに戻っていきました。

「これは止めたほうがいいのか」

私たち大人は、葛藤しながら見守っています。

 

私や他の人が、されて嫌なことは「それはヤダ、やめて」という事もあります。

そこから先は困る!と言うときは、お願いして止めてもらいます。

そこから先、の一線は人によっても違うし、状況によっても違ってきます。

子どもにはその一線は見えず、境目がないので

気持ちを尊重しつつ、伝えていきます。

例えば、空気清浄機を塗り始める人に

「ごめんね、それは困るんだ」と。

 

アートで遊ぶとは、<好き勝手にやり放題>なのではなく

自分の世界を探求する子ども達を、尊重する場です。

 

真剣に、集中し、喜びにあふれている、子どもたちの表情を見ながら、一瞬一瞬、考えます。

 

「この人たちは、いけない事をしているのか?その理由は何だっけ?」

 

アートで遊んだこの時間に、

どれだけの探求と発見をし、心を動かし、何かをヒラメキ、学ぶ体験をしたのか想像し

 

<好き勝手にやり放題>と<子ども達の力>を考えながら、子ども達と遊んでいます。