子ども達の創り出すものは、名前がなくナニモノでもない。
自分の中から出てきた形。混沌とした中に何かを感じ、見い出している。
大人には見えない、子ども達の世界が、確かにそこにある。
こんにちは、アートあそびラボの苅部洋子(かるべようこ)です。
保育園でのアートあそびで、子ども達の作り出すものが
大人には、どうしても解らない事がよくあります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=255x1024:format=jpg/path/s16f5c6a4ed31a9fe/image/ib77effeffc8a8027/version/1632635460/image.jpg)
年長さんの男の子。
ずっと「ダンゴムシなんだ~」と言いながら筆を動かし
「できた!ダンゴムシ!」とうれしそう。。。
私は「へえ、そうなんだね」と言いつつ、内心「???」
ダンゴムシが歩いた軌跡か?ダンゴムシがいそうな土か?
と、理屈で理解しようとするから、わからない。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=258x1024:format=jpg/path/s16f5c6a4ed31a9fe/image/i7425ed303af50eab/version/1632635460/image.jpg)
年少さんの女の子。
「見て見て、できた!」と嬉しそうに見せに来た。
何かはわからないが、なんか素敵。
知らない人が見たら、ただの紙切れにテープを貼ったもの、かも。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=389x1024:format=jpg/path/s16f5c6a4ed31a9fe/image/i2cf7643a3fd8ee4d/version/1632635460/image.jpg)
しかし、彼女の作った作品を集めて眺めてみると、
繊細で柔らかい彼女の世界が見えてくる。
子ども達の前に素材を置くだけで
出来上がり見本も無い中で、自然に何かを作り始める。
大人には訳の解からないものを、楽しそうに、自由に生み出す子ども達。
彼らの作るものは、名前がなくナニモノでもないのかもしれません。
自分の中から出てきた形。混沌とした中に何かを感じ、見い出しています。
それが変幻自在に、ナニモノかに見えたりすることもある。
混沌とした中に、本人にしか見えないナニモノかだったりすることもあります。
大人は、ナニモノでもないものを作るのが苦手です。
「これは何」という理屈で理解しようとするから、苦労します。
子ども達は、ナニモノか、にとらわれていないから、自由で、創造的です。
大人には見えない、子ども達の世界が、確かにそこにあるのを感じます。
しかも、1人1人に違ったその子の世界が。
子ども達のうれしそうな、楽しそうな、誇らしげな表情を見ていると
ナニモノかを作れるか、が大事なのではなく
自分がグッとくる色や形を、自分の手が作り出す喜び。表現する喜びを感じます。
ついつい「これは何?」と聞いてしまいますが、
記号的なナニモノかに当てはめずに、
そこにある色や形が生み出すもの(その子の世界)を感じてみると、
「上手ね」という言葉では、言い表しきれない世界が見えてきます。
たとえ理解できなくても、その子の世界を、否定や評価することなく、
ただ感じて受け止め、大切にしていきたいなあ、と思います。
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