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子どもの育つ場で大切な「美しさ」て何だろう

こんにちは、アートあそびラボの苅部(かるべ)です。

 

子どもの育つ場でよく言われる「美しさ」て何でしょう。

大人が教えてあげること?みんなが同じように感じること?整っていること?

ずっと考えて、見えてきたことがあります。

 

グラフの曲線の美しさに涙する数学者がいる。

カフェのマスターはコーヒー豆の美しさに心震わせる。

私も今、真剣に遊ぶ子ども達の眼差しに心震わせ、彼らの生み出す「美しさ」にトキメキを感じ、この仕事をしています。

 

トキメキを感じる事を選択していくことで、その人の人生が創造され、表現されていく。

「美しさ」はその指針になるのではないでしょうか。

子どもたちはアートで遊んでいるとき、

自分の手元に集中して、感覚で素材を選び、位置を決め、作っていきます。

「どこがいいかな、どれがいいかな、どのくらいがいいかな」と

作っているモノ、画面と、自分の感覚で対話しているように見えます。

 

絵の具で遊びながら、自分の生み出す色に

「見てみて!」「夜の星みたい!」「虫が動いているみたい!」と目を輝かす人もいます。

混ざり合う濁色の中に、美しさを見つけ「見てみて!にじいろ!」「カラフル✨」と目を輝かせます。

ブログ【大人にとっては茶色でも 子ども達にとっては、にじいろ✨】

絵の具を調合し、自分が納得いく色を作り続け

混沌とした絵の具の海の中で、何かを並べて、規則性が生む美しさをを生み出す人もいます。

大人の提案にもブレずに、
「僕はこういう感じがイイと思うんだ」ときっぱりと言える人もいます。

子ども達は、自分がグッとくる感覚を探し、見つけていきます。

「グッとくる」感覚は「美しさ」とも関係しています。

 

「美しさ」を感じる時ってどんな感じ?

なんかイイ感じ、グッとくる。ザワザワする、気持ちいい、惹かれる、あこがれる、好き、嬉しい、ワクワクする、などなど

⇒ 幸福感が生まれ、心がトキメク。喜びの予感。

 

「美しさ」を感じるとどうなる?

ずっと眺めていたい、触りたい、自分のものにしたい、大切にしたい、再現したい(描きたい造りたい)、そうなりたい、疑問がわき知りたいと思う、違いがわかる、などなど

行動の原動力になる。

 

「美しさ」を感じるものって何がある?

色、形、組み合わせ、音楽、物語、風景、行動、人間性、自然の摂理、などなど

美意識は倫理観に繋がる。

 

例えば

美しいと感じる「行動」を選択する。

美しいと感じる「物」を選択する。

美しいと感じる「人」を伴侶に選ぶ。

美しいと感じる事と「関連した職業」を選ぶ。

美しいと感じる「生き方」を選ぶ。

などなど。

 

「美しい」はその人の倫理観とつながり、行くべき方向に指針となり、行動の原動力になる。

 

自分が心を震わせる、自分なりの「美しさ」を見つけていくこと。

それが、自分の人生を生きることに繋がるのではないでしょうか。

 

何を「美しい」と感じるかは、人それぞれ違っていて、自分の内側から生じる感覚。

教えられることではなく、持って生まれた感性や、育った環境で培われる。

大人が美しいか、そうでないかを選別して教えなくても、いろいろな物を見て、様々な体験をしながら

ちゃんと自分で感じることができる。

 

アートあそびの時間は、そのセンサーを立てて、感度を磨いていく時間です。

そのセンサーが畳んでしまわれたり、さびてしまったり、しないように

その子が感じた事を〇か✖か評価せず、否定せず、受け止めていける場でありたい、と思います。